「網羅的かつ多角的な視点で整理してから進めたい」──その気持ち、よくわかります。 でも実務においては、完璧に整理してから動こうとする人ほど、動き出しが遅れ、成果に結びつかないことが多いのです。 この記事では、外資系コンサルの現場でも重視される「論点→即実行→改善」の思考プロセスと、動ける人が実践する具体的なアプローチを紹介します。
“全体を把握してから動く”では遅い
「あらゆる角度で検討をしてからでないと動けない」「情報が揃ってからでないと話ができない」── これは実務のスピードを著しく下げる、典型的な完璧主義型の思考パターンです。
特に会議設計や資料作成において、
- 全体構造を整えることに時間をかけすぎる
- あらゆる情報を盛り込もうとして論点がぼやける
こうした行動は、相手に伝わらず、検討が深まらない原因になります。 成果を出す人ほど、「全体の理解」ではなく「論点の解像度」に集中しています。
論点を先に見つける技術
実務では、本当に重要なことは一部の論点に集中していることがほとんどです。 全体を整えてからではなく、まずは“問い”や“違和感”を起点に論点を拾うことが重要です。
例えば、
- 「顧客が最後まで納得していなかった論点は何か?」
- 「意思決定者が引っかかっていた根本原因は?」
- 「最終成果に直結しそうな課題はどれか?」
といった視点から、先に“検討すべき一点”を特定しに行く。
問いを起点に情報を集める
情報収集でも、「問いが明確であるかどうか」が全てです。 問いが明確でない状況下では、
- ムダな資料を読みすぎる
- 一次情報に辿り着かない
- そもそもどこを深掘るべきか分からない
といった事態に陥ります。
逆に、「この論点を検証するには、●●のデータが必要だ」という仮説ドリブンの問いがあれば、
- 必要な情報だけをピンポイントで探せる
- 現場ヒアリングの質問も具体化する
- 得られた情報の活用範囲も明確になる
結果として、情報活用力が圧倒的に高くなります。
“動きながら整える”思考を持つ
「仮説→動く→軌道修正」こそが、実務での王道です。 整理してから動くのではなく、とりあえず動いてみてから整理するのが、成果を出す人の思考です。
- 資料もまずは“ラフ案”で作る
- 論点も“仮で置く”ことを恐れない
- 設計も“走りながら変える”柔軟性を持つ
「整理してから動く」のではなく、「動きながら整理する」。この思考が、圧倒的なスピードと再現性を生み出す。
完璧な準備など存在しません。まず仮説で動く→必要に応じて補完するという順番の逆転が、現場では非常に有効です。
まとめ
「動ける人」と「動けない人」の差は、論点に対する姿勢にあります。
- 完璧主義を捨て、「論点から動く」ことを恐れない
- 全体構造ではなく、解像度の高い“問い”にフォーカスする
- 先に動きながら、後から整える柔軟性を持つ
このようなマインドとプロセスを持つことで、仕事のスピードと成果は劇的に変わります。 まずは一つ、「整理してからやる」をやめて、「仮説で動く」ことから始めてみてください。 その一歩が、あなたの生産性を大きく変えてくれるはずです。