SMEを先に確保する外資コンサルの仕事術

外資コンサルの現場では、「すべてを自力で賄わない」という発想が欠かせません。特に専門知識が必要な領域は、初期段階で有識者(SME: Subject Matter Expert)の“窓口”を確保しておくことが成功のカギになります。本記事では、不足領域のSMEを早期に押さえる理由や、実務で役立つ具体的なアプローチを紹介します。

プロジェクトにおいて専門人材は常に引っ張りだこです。空いているタイミングを狙うのは難しく、早めに声をかけて確保しておくことが唯一の保険になります。特に規制やデータといった領域は、調査や整理に時間がかかるため、必要になってから探すのでは遅すぎます。前倒しで準備しておくことこそ、スムーズな進行と成果物の品質を守る最良の方法です。

SMEを確保する際は、まず「どんな領域で知見が不足するのか」を明確にすることが大切です。代表的な切り口は以下の4つです。

  • 業務:現場の業務フローや業界知識に精通した人材
  • テック:システムや技術基盤に強いエンジニアやアーキテクト
  • データ:分析手法やデータガバナンスに詳しい専門家
  • 規制:法規制やコンプライアンスに通じたリーガルや専門アドバイザー

この4分類で棚卸ししつつ、万一人材が不足した場合の**代替案(外部委託や他部門支援)**もあわせて準備しておくと安心です。

SMEを確保するといっても、常にフル参画してもらう必要はありません。むしろ、最初は「軽い関与」から始めるのが現実的です。

  • 定期的に30分程度の相談時間を設定する
  • 重要な資料だけを簡易レビューしてもらう
  • 必要なときに呼び出せる「スポット対応枠」を設ける

こうした小さな関与でも、困ったときにすぐ相談できる安心感があり、プロジェクト全体の安定性が格段に高まります。

SMEに依頼する際は、期待値のすり合わせが不可欠です。特に以下の点を事前に合意しておくことで、後々の齟齬を防げます。

  • 稼働時間:週にどの程度関与できるのか
  • 成果物:レビュー範囲やアウトプットの粒度
  • 応答SLA:質問に対する返答までの目安時間

これらを明文化しておくことで、依頼側もSME側もストレスなく協力できる環境を整えられます。結果として、限られた時間の中でも高品質な成果を生み出せるのです。

まとめ

不足領域の知見を自分だけで補おうとすると、時間も品質も大きなリスクを抱えます。だからこそ、「窓口先行×役割棚卸し×期待値合意」の3点セットを早期に整えることが重要です。 SMEを先に確保しておけば、必要なときに知見をすぐ投入でき、プロジェクトはスピードと品質の両立が可能になります。次の案件では、スタート段階からSMEの“窓口”を押さえることを習慣にしてみてください。

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