資産配分は年齢で決めない|使う時期別のお金の分け方

 

資産配分は年齢より「使う時期」で決める|現金・債券・株式の分け方

「30代だから株式を多めにする」「60代になったら債券を増やす」など、年齢を基準に資産配分を考えていないでしょうか。

年齢は一つの目安にはなりますが、本当に重要なのは、そのお金をいつ使うのかです。

同じ40代でも、3年後に教育費や住宅費が必要な人と、10年以上使う予定がない人では、適切な資産配分が異なります。この記事では、現金・債券・株式を「お金を使う時期」から逆算して分ける方法を解説します。

アセットアロケーションとは、保有する資産を株式・債券・現金などにどのように配分するかを決めることです。

資産配分というと、次のような比率を思い浮かべる人も多いでしょう。

  • 株式70%
  • 債券20%
  • 現金10%

しかし、最初から比率を決めても、その配分が自分の生活に合っているとは限りません。

例えば、同じ40歳でも、次の2人では取れるリスクが異なります。

  • 3年後に子どもの進学費用が必要になる人
  • 10年以上、大きなお金を使う予定がない人

前者が必要資金まで株式で運用していると、使う直前に株価が下落した場合、損失を抱えたまま売却しなければならない可能性があります。

一方、後者が長期間使わないお金まですべて現金で保有すると、長期的な運用機会を逃しやすくなります。

そのため、資産配分は年齢や固定比率ではなく、「何年後に、いくら必要になるのか」から逆算するのが基本です。

資産ごとの役割は、次のように整理できます。

  • 現金:近いうちに使うお金を守る
  • 債券:数年先に使うお金の値動きを抑える
  • 株式:長期間使わないお金を成長させる

厳密なルールではありませんが、一つの目安としては次のように考えられます。

  • 0〜3年以内に使うお金:現金
  • 3〜7年後に使うお金:債券などへ徐々に移す
  • 7〜10年以上使わないお金:株式中心も選択肢

大切なのは、この年数を機械的に当てはめることではありません。お金の目的、家計の安定性、価格変動への耐性も含めて判断します。

数年以内に使うことが決まっているお金は、基本的に大きな値下がりリスクを取らない方が安全です。

例えば、次のような支出が該当します。

  • 子どもの入学費用
  • 車の買い替え費用
  • 引っ越し費用
  • 住宅の修繕費
  • 近いうちに予定している大きな買い物
  • 病気や収入減少に備える生活防衛資金

株式は長期的な成長を期待できる一方で、1〜3年程度の短期間では大きく値下がりすることがあります。

必要になる直前に株価が下がると、回復を待つ時間がありません。そのため、使う時期と金額が決まっているお金は、預金などの現金で確保するのが基本です。

債券も株式より値動きが小さい傾向はありますが、途中で売却する場合には価格が下がる可能性があります。「安全資産だから絶対に減らない」とは限りません。

ここで注意したいのは、資産のすべてを現金にする必要はないということです。

例えば、金融資産が800万円あり、3年以内に200万円を使う予定なら、まずその200万円を現金として切り分けます。残りの600万円は、使う時期やリスク許容度に応じて運用を続けられます。

近いうちに必要な金額だけを現金にすることで、生活に必要なお金を守りながら、長期資金の運用機会も残せます。

3〜7年後に使う予定のお金は、すべてを株式で持ち続けるには不安がある一方、今すぐ全額を現金にするには早い場合があります。

そこで有効なのが、使う時期が近づくにつれて、株式から債券、債券から現金へと段階的に移していく考え方です。

例えば、7年後に進学費用として300万円を準備したいとします。

一つの考え方として、次のように移行できます。

  • 7年前:株式を含めて運用する
  • 5年前:一部を債券などへ移し始める
  • 3年前:必要額を現金中心に切り替える
  • 使用直前:必要な300万円を現金で確保する

最初から全額を現金にすると、7年間の運用機会を失います。一方、直前まで全額を株式にすると、暴落したときに必要金額を用意できないかもしれません。

段階的に移すことで、二つのリスクを抑えられます。

一つ目は、株価が下落したタイミングで全額を売却するリスクです。複数回に分けて移すことで、売却時期を分散できます。

二つ目は、早すぎる現金化による機会損失です。必要になるまで時間がある間は、一部を運用に残せます。

重要なのは、相場の天井を予測して売却することではありません。使う時期に合わせて、あらかじめ安全資産へ移すルールを決めておくことです。

7〜10年以上使う予定のないお金は、株式で運用する余地が大きくなります。

株式市場は短期間では大きく変動します。しかし、使うまでに長い時間があれば、下落した後に回復を待てる可能性があります。

例えば、30代や40代の会社員が老後に使う予定のお金は、実際に取り崩すまで10年以上あることが多いでしょう。

このような長期資金まで、早い段階からすべて現金や債券にすると、資産全体の期待リターンを下げやすくなります。

ただし、運用期間が長ければ必ず利益が出るわけではありません。株式には元本保証がなく、大きな値下がりもあります。

株式中心で運用できるかどうかは、次の条件にも左右されます。

  • 生活防衛資金を別に確保できているか
  • 数年以内に使う予定がないか
  • 収入や家計が安定しているか
  • 株価が下落しても売らずに持ち続けられるか

資産全体を一つの目的で管理するのではなく、次のように分けて考えることが重要です。

  • 近いうちに使うお金
  • 数年後に使うお金
  • 10年以上使わないお金

短期資金と長期資金を混ぜないことが、必要以上にリスクを取ったり、反対に運用機会を失ったりするのを防ぎます。

資産配分は、実際のライフイベントに当てはめると考えやすくなります。

7年後に進学費用300万円が必要な場合

7年後に300万円を使う予定だからといって、今すぐ全額を現金にする必要はありません。

前半は株式を含めて運用し、使う時期が近づいてきたら、少しずつ債券や現金に移します。

例えば、5年前から安全資産を増やし始め、3年前には必要額の大部分を現金で確保する方法が考えられます。

もちろん、実際に必要になる教育費や準備時期は家庭によって異なります。大切なのは、一般的な教育費の平均額に合わせることではなく、自分の家庭で必要になる金額と時期を見積もることです。

5年後に退職する場合

退職後は、給与収入が減った状態で資産を取り崩すことになります。

このとき、生活費をすべて株式から取り崩す計画にしていると、退職直後に株価が下落した場合、安い価格で売却せざるを得ません。

例えば、毎月の生活費が25万円なら、1年分は300万円です。

退職前に生活費の1〜2年分を現金で用意し、その先に使う分を債券などで持っておけば、株価が下落してもすぐに株式を売らずに済みます。

必要な現金の年数に唯一の正解はありません。年金収入、退職後の収入、家族構成、毎月の支出によって異なります。

取り崩し期では、資産を最大限増やすことだけでなく、相場が悪い時期に株式を売らずに生活できる状態を作ることが重要です。

資産の割合ではなく必要金額を確保する

資産配分を考えるとき、「総資産の20%を債券にする」といった割合を先に決める必要はありません。

例えば、金融資産が800万円あり、3年以内に200万円が必要なら、まず200万円を現金で確保します。

残りの600万円について、いつ使うのかを考えながら、株式や債券に配分します。

資産額に対して一定割合を安全資産にすると、必要な金額より多すぎたり、少なすぎたりする可能性があります。

そのため、総資産の何%かではなく、近い将来に必要な金額そのものを安全資産として確保する方が、実生活に合った資産配分になります。

まとめ

資産配分は、「30代だから株式を何%」「60代だから債券を何%」と年齢だけで決めるものではありません。

まず、教育費、住宅費、車の購入、退職後の生活費など、何年後にいくら必要になるのかを整理しましょう。そのうえで、3年以内に使うお金は現金、数年後に使うお金は徐々に債券や現金へ移し、10年以上使わないお金は株式で運用する余地を残します。

最初に行うべきことは、将来の支出予定を書き出すことです。金額を正確に予測できなくても構いません。「いつごろ、何に、どの程度使うか」を整理し、資産を使う時期ごとに分けてみましょう。

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